サーバの構築、とても難しく思えてしまうかも知れませんが、「Webmin」という優れた管理ツールを用いれば、あらゆる設定をGUIで行う事ができてしまいます。
第一回目は、家庭内、すなわちローカルエリア内にファイル・サーバを立ててみたいと思います。
さて、ここでは、OSはサーバ版は用いません。ラクラクで構築するために、Ubuntu 7.10 日本語ローカライズ版をインストールしたデスクトップPCを使ってみます。
PCのスペックは、メモリ:1GB、CPU:Athron XP 1700+、ハードディスク:160GBのPCで組んでみます。
すなわち、すでに何世代か前となったマシンで充分機能する事になります。
あえてGUIのマシンで組む理由は、用途として、音楽、画像を楽しむという目的のために、サーバ機でもそれらのファイルをチェックできるようにしておきたいからです。
あらゆる動画をこのサーバ機に貯め込んでいきますので、ディスクの容量は大きいに越した事はありません。
昨今はディスクも安くなっていますので、TB(テラバイト)を越える容量にしていきます。この増設の方法なども含めて、シリーズで書いていきます。
マシンの準備ができたら、まずは、「WEBMIN.COM 日本語公式サイト」から、パッケージのダウンロードです。
http://jp.webmin.com/download には、Ubuntuに対応する「debパッケージ」が置かれています。
このページから、「webmin_xxxx_all.deb」(xxxxはバージョン名)をFirefoxでダウンロードします。
続けてdebパッケージマネージャが自動で起動し、インストールが行われます。
インストールが終わったら、「https:localhost:10000」とWebブラウザで入力し、アクセスします。
「http://」と「s」を付けずにアクセスすると、下記の画像のように、エラー表示されます。
「https://」ですから、暗号化での通信となり、別のマシンからネットワーク経由で制御しても盗聴されない設計となっています。
正しくアクセスすると、上の画面のように、「証明書」に関する記述が現れます。「今後証明書を受け入れる」にチェックを入れてOKします。
するとログイン画面が出ますので、UbuntuのログインIDと、パスワードを入力します。
これでWebminの設定画面に入れます。
まず最初に、メニューを日本語化しましょう。
左上の「Webmin」をクリックし、「Change Language...」をクリックし、現れた画面で、「Japanese (JA_JP UTF-8)」を選び「Make Changes」をクリックします。
一度、左側のメニューの一番下の「Logout」で、Webminから一旦抜けます。
再度ログインすれば、メニューが日本語化されています。
次に、「Webminユーザ」を選んで、ユーザの設定をしておきます。
「新しいWebminユーザを作成」を選びます。
現れた画面で、「Webminユーザのアクセス権」で、ユーザ名を入力、パスワードを間違えないように入力します。
「Available Webmin modules」で、「すべて選択」をクリック。これで、あらゆる操作ができるようになります。
以上で、Webminというアプリケーションを自由に使える設定は終わりです。
さて、予め理解しておきたい事は、パスワードの管理についてです。
実は、Webmin内では、いくつかのパスワードの設定項目があります。これが混乱の元になっています。
本稿では、3つのパスワードが出てきます。
1、「Webmin」に入る為のパスワード、2、「システム」=パソコン自体のパスワードの管理、3、「サーバ」→ここでは、sambaによるWindowsとのファイル共有の際のパスワードの設定です。
以上を理解しておかないと、混乱してしまいますのでご注意を。
2、「システム」=パソコン自体のパスワードの管理は、「システム」を開いて、「Change Passwords」にあり、別のパソコンから遠隔操作でもパスワードの変更ができる・・・ということを覚えておいてください。
では、いよいよ、WindowsからもUbuntuからもファイル/フォルダを共有する為の、すなわち、Ubuntuマシンをファイル・サーバにする設定です。
「サーバ」から「Samba Windowsファイル共有」を選びます。
その前に、Webminからちょっと離れて、Ubuntu自体のパネルから、「システム」-「システム管理」-「フォルダの共有」を起動します。始めてこれを起動した時には、指示にしたがって、sambaをここでインストールしておきます。フォルダの共有の設定は、ここでは行いません。パッケージのダウンロード&インストールに留めておきます。
「Samba Share マネージャ」のページが現れたら、「UnixとSambaユーザの同期の自動化を設定」を選びます。
すると「ユーザの同期」のページが現れますので、画面のとおり、上の3つの項目にチェックを入れて、「適用」を押します。
一旦、「共有リストに戻る」で表紙に戻ります。
続いて、「Sambaユーザとパスワードを編集」で下のようなユーザ一覧を表示させます。
先ほどの設定により、自分のUbuntuへのログインアカウントが一覧に加わっているのを確認します。
先ほどの「ユーザの同期」は、このように、Ubuntuへのユーザの追加/削除に合わせて自動的にsambaのユーザの追加/削除を行ってくれるので、とても便利です。
では、実際、リストから自分のアカウント名をクリックしてみましょう。
3つ目のパスワードとなるsambaのパスワードは、この画面で変更ができるようになっています。
ここで、変更を加えたら、ページの下部にある、「Sambaサーバを再起動」をクリックすることで、変更を適用します。
さて、ようやくですが、ファイル共有の設定です。
同じページの上部にある「新規のファイル共有を作成」を選びます。
1、「共有名」に好きなフォルダ名を入れます。
2、「共有するディレクトリ」を指定します。
3、自動的にディレクトリを作成しますか?」で「はい」にチェックを。
4、「有効にしますか?」も「はい」に。
5、「Create with owner」は、この共有フォルダの所有者です。自分のアカウント名を入力します。
6、「ブラウズ可能にしますか?」も「はい」にチェックを入れます。
続いて、黄色い鍵のアイコンの「セキュリティとアクセス制御」をクリックします。
「セキュリティを編集」ページが開いたら、
「書込み可能にしますか?」で「はい」にチェックを入れます。
「ゲストのアクセスを可能にしますか?」で「はい」を選ぶと、誰でも読み書きができるようになります。
「なし」にしておけば、自分だけがフォルダー内のファイルを読み書きできるようになります。
以上で、他のマシンから、共有フォルダにアクセスできるようになりました。
つまり、ファイルサーバのできあがり!
1 件のコメント:
大変興味深く拝見しました。
一つ出来るかの確認がしたいです。
ローカルにMacとWinがある場合フォルダ名に使えない記号がありますが、
これを用いるとそれは解消出来るのでしょうか?
分かったらでよいので教えてください
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